パーキンソン病の山登り“yucon”の登山と闘病の記録

難病パーキンソン病を患ってから山登りを始めた“yucon”の山行と闘病の記録

雪山(その後)

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 御池岳で遭難者の遺体が発見されて2ヵ月以上が経ちました。

 現場の「ボタンブチ」には慰霊碑が設けられているそうです。山ヒルシーズン真っ盛りの時期ですが行くことにしました。

 

 鞍掛トンネルの滋賀県側登山口から登り始めます。

最初の五歩で既に登山靴には3~4匹の山ヒルが!持参したアルコール除菌スプレーで撃退します。その後、何度も山ヒルの襲撃を受けますがその都度除菌スプレーで対抗して被害を受けないようにしました。

 

 杉の植樹帯を抜け明るい2次林に出ると山ヒルの不安はほぼ無くなります。この日も鞍掛峠以降は全く見かけませんでした。

 ヒルの心配は解消しましたが鈴北のピークに着いても濃いガスが発生しており展望は全くなし、テーブルランド一面を見渡すことはできませんでした。

 しかしながら、地面はシダや苔がぎっしりと生えていて鮮やかな緑色がテーブルランド全面を埋め尽くしていました。秋の黄金色のテーブルランド、冬の白いテーブルランドに次いで初夏の緑のテーブルランドもまた素晴らしい光景です。ガスや雨の水分が緑をより鮮やかにしています。

 

 御池岳山頂へ立ち寄り「奥の平」へT字尾根への取付き付近まで進んだ時一瞬の晴れ間が現れましたが 一瞬だけでした。奥の平での昼食後、「ボタンブチ」へ進みます。

 そこには慰霊のケルンがありました。ストックを傍らに置きグラブを外し、ひとつ石を積んで無心になって手を合わせました。心のなかでただ一言「Nさん遅くなって ごめんなさい」とつぶやきました。

 

 ボタンブチからの景色はガスに覆われ真っ白でした。

 これから先御池岳には何度も足を運ぶでしょう、四季を通して豊かに変化していく美しい御池岳、訪れるたびに必ず「ボタンブチ」に立ち寄り手を合わせるでしょう。

無心になって手を合わせ続けるでしょう・・・ 。