雪山(結)
御池岳 ゴロ谷四の沢でNさんが遺体で発見されてから2カ月が過ぎました。
警察の調査や山岳連盟の総括も終息し「岳人」の6月号に記事が掲載されました。死因は凍死、内張りだけのテントの中にはダウン、食糧、シュラフやコンロが使用された形跡無く残されていたそうです。そして携帯電話には2月13日11時36分の未送信メールがあり「遭難した 警察へ連絡してください・・・」との記録が残っていたそうです。
少ない情報の中いくつか疑問がありますが、明らかなのは滑落後 24時間以上生存されていたという事です。「なぜ」も多く残ります。手付かずの食糧やシュラフ コンロ 、捜索活動、県警のヘリ・・・。なぜ発見されなかったのか? 自分の存在をアピール出来なかったのか? 憶測で意見を述べることはできません。
御池岳、藤原岳の2つの広大な山域で遭難者一人を探し出すことは容易ではありません。
しかし、無念でなりません・・・・・。
去る5月の連休に「天狗堂」「サンヤリ」に登りました。その山々からは御池岳の南斜面がよく見えます。もし2月に天狗堂山頂から御池岳方面を見ていたらもっと早く発見出来たかも知れません。
遭難者の捜索と言えば遭難された山に入り捜索することしか想像できませんでしたが近付けば近付くほど見えなくなるものがあります。物事の核心という類のものが見えない時、ひとはより近付いて必死で探そうとします。しかしある程度距離を取らなければ見えないものがあります。
御池岳のボタンブチに遭難碑が建てられたと聞きました。
山ヒルが多く鈴鹿が敬遠される時期ですが「御池岳」に近々足を運びたいと思います。
追記
7月8日、御池岳に行ってまいりました。山頂より奥の平へ行き昼食後「ボタンブチ」へ、供養のためのケルンが設けられていました。
私もひとつ石を積み無心で手を合わせました。「Nさん、遅くなってごめんなさい」。
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