雪山(その1)
去る2月12日午前6時30分頃、家族宛に「今から下山する」とのメールを最後に御池岳~藤原岳で消息を絶ったヤマレコユーザーNさんが 御池岳ボタンブチの直下 ゴロ谷-四ノ沢のテント内で遺体で発見されたそうです。
昨日4月29日の朝からネット内もざわついていましたが、本日4月30日の朝刊に報道されたことや捜索情報のHPに三重県岳連のコメント発表が掲載されたこともあり落着きを取戻しています。
今日までの間のご家族の心労は想像を絶するものがあり、謹んでお悔やみを申し上げます。
今回の件は私も遠からずという思いを抱き続けた3ヶ月でした。
昨年夏に登山を始めて、御池岳には11月初めて登頂し、その2週間後に前回は天候が悪かったからと再度登頂しました。
12月25日には全く知識も技術も無いまま新雪の御池岳へ 三重県側の国道ゲートからコグルミ谷まで歩き約1時間歩き五合目過ぎで時間切れ撤退、腰まで埋まってのラッセル、氷点下の気温で指先の凍傷、雪庇からの滑落、ふと我に帰った時腰まで雪に埋もれながら誰もいない猛吹雪のコグルミ谷で初めて山の怖さ、自然の無慈悲さを体に叩き込まれました。
日が落ちた後暗い閉鎖中の国道を一人とぼとぼと歩き帰る道中「犬帰し谷」の谷奥から強烈なブリザードが爆音とともに吹いてきて、体が宙に浮きました。自分一人の力など到底通用するわけがなく、「ちょっとしんどいかな」程度の考えだけで冬山へ平気で登りに行った甘さを猛反省しました。
その時反省したことをヤマレコにアップしたところ それまで全く知らなかった たくさんのユーザーの方々から拍手や温かい励まし、的確で熱の入ったアドバイスのコメントをいただき、「今シーズン中に雪の御池岳の登頂に成功する」という目標を立てそれに向かって自己流ではありますが訓練を積み一ヵ月後の1月22日 多くの幸運に恵まれて雪の御池岳に登頂することができました。(後に思えばこれもラッキーだっただけですが・・・・)
とはいうものの 今から思ってもとても危険なことをしていたと思います。軽装備無計画、未経験、単独行、たまたまあの時点で(五合目過ぎ)我に返ったから良かったものの もう少しもう少しと粘っていたら非常に危険だったと思います。
そのレコに拍手を送っていただいた中に今回遭難死された方のハンドルネームがありました。
その2へ続く